第92章 長距離列車で食べる駅弁はいつもより美味しく感じる。
結局、新八と神楽の乗車賃及び弁当代を近藤が支払って乗車。六人は共に葵咲達を尾行する事になった。
乗車した葵咲達は指定席へ。宿泊用鞄や、先ほど購入した備品等は銀時が網棚の上へ乗せ、三人は座席に腰掛ける。進行方向向きの窓際(12E)に葵咲、その隣(12D)に銀時が。そして進行方向には背を向ける形、葵咲と向き合う形で窓際(11E)に桂が座った。
三人から遠からず近からずの席に土方達が席を取る。その姿を見えないようにする為に、葵咲達と同じ北側に四人。進行方向に背を向けた窓際(4E)に松本、隣の通路側(4D)に土方。二人の向かい側、進行方向向きは、窓際(5E)に神楽、通路側(5D)に新八が座る。そして、通路挟んで近藤と山崎が席を取るが、安全を期して通路側一席は空けて座る事に。
厠は葵咲達の方にある為、こちらに歩いて来る事はないと思われるが、南側の通路側の席(4Cや5C)に座ると、銀時から見えてしまう可能性がある為だ。真ん中(5B)に近藤が座り、その隣の窓際(5A)に山崎が座った。
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席に座ったと同時に桂が懐からUNOを出し、三人はUNOを始めた。最初は静かにゲームしていたが、それも次第に白熱。ゲーム終盤には声も大きくなっていた。
葵咲「ウノ!」
桂「なに!?少し見ないうちに腕を上げたな、葵咲。」
葵咲「へへへ~。」
銀時「これ腕上げて何か得する事ってあんの。つーかいつ以来なんだよ。ガキの頃以来じゃね?腕上げたも何も、当然の成長じゃね?」
きゃっきゃと騒ぐ声が気になり、そっと様子を覗きこむ近藤。楽しそうにUNOをする三人を見て少し呆れた顔を浮かべる。
近藤「完全に修学旅行気分だな…。」
山崎「でも今のところは心配なさそうですね。」
呆れ顔ではあるが、何処か安心したような表情の近藤を見て、山崎もまた微笑を浮かべる。
一方神楽は早速先ほど近藤に買ってもらった駅弁をガツガツと食している。食べているのは豪華なステーキ弁当。買ってもらえるという事で、遠慮なく一番高い物を選んだらしい。そんな神楽を見ながら土方が一言釘を刺した。