第91章 ホームセンターでの買い物は行き慣れた店が買いやすい。
揉める二人に突如背後から掛けられた声。土方達はビクリとして声の出処に目を向ける。そこには近藤と松本が少し呆れた表情を浮かべて佇んでいた。
山崎「ギャァァァァァ!ストーカーバカァァァァァ!!」
近藤「ちょっとォォォ!?いきなりそれはないんじゃないの!つーかお前らのストーカーじゃないからね!俺は!愛を追い求める、お妙さんのストーカーです!!」
噂をすれば影とはこの事か。まさかのストーカー本家登場に思わず漏れた悪口だった。近藤と山崎のやり取りを尻目に、土方は松本へと言葉を投げる。
土方「そういや今日だったか。とっつぁんへの挨拶、無事すんだのか?」
近藤「あ!ちょっと!無視しないで!」
松本「えぇ、特に問題なく。」
近藤「ちょ!松本先生までっ!」
真選組の専属医となった松本だが、医院設立やら諸々の手続きやらで忙しく、一方松平の方も長官としての仕事が多忙で日程が合わず、顔合わせが出来ていなかった。お互いの日程が合ったのがこの日。松平が休日であるこの日なら時間を取れるという事で、挨拶に伺う事になっていたのだ。
ちなみに近藤は私服姿である。松平は休日。隊服で来られると仕事感が拭えないから私服で来い、と言われたらしい。しかもこの日松平は昼前から娘の栗子と出掛ける約束があるらしく、早朝に済ませろとの事だった。何とも身勝手な処遇であるが、部下である二人はそれについて意見する事など出来ず、了承するしかなかった。
その事は事前に近藤から話を聞いていた土方。改めての挨拶とは言え、ラフな顔合わせであるが故、何人もの付き添いは不要であると見て、近藤のみの付き添いで松平の元へと訪れたのだった。