第89章 恋をしている時は、全てにおいて奇跡や運命に紐づけてしまう。
海底トンネルのような通路を抜けると、ドームのような空間に。こちらも全面ガラス張りの空間だ。ここが大江戸水族館のメインホール。最終地点という事もあり、人がごった返して混雑していた。
桂「思っていたより人が多いな。」
そういって桂は葵咲の手を取る。
葵咲「えっ!?」
桂「はぐれてしまったら一大事だからな。」
まさか桂の方から手を繋いでくれるなんて。その事にまたもや葵咲は顔を真っ赤にして言葉を失わせた。それを見ていた銀時と一郎兵衛は項垂れ、近くに設置されていたベンチへと倒れ込むように腰掛ける。
一郎「・・・・頼む、銀。俺にパナシーアボトルか毒消しを掛けてくれ。どんどんHP削られてくんだけど。心のHPが。」
銀時「俺だって毒状態だわ。何これ。何の拷問これ。」
そんな二人の事など知らない桂は平常運転。だがここで握った葵咲の手の違和感ある感触に気付き、その手へと視線を落とした。
桂「ん?酷く荒れているではないか!まさか、真選組でパワハラを受けているというのか!?そうか、それで今日は俺に相談を…!?」