第89章 恋をしている時は、全てにおいて奇跡や運命に紐づけてしまう。
そして銀時と一郎兵衛は葵咲達の尾行へと戻る。
葵咲はずっと桂の方を見つめたまま歩くも、当の桂は気付いていないのか、気にしていないのか。葵咲の方には見向きもせずに前を向いて歩いていた。明らかに葵咲の片想い(?)の図なのだが、恋愛とはある日突然やってくるもの。何がきっかけで気持ちが転がるか分からない。細心の注意が必要だ。
二人の様子を注意深く見ていた一郎兵衛だったが、何かが視界に入り、ふとそちらに目をやる。至極怪訝な顔を浮かべながら、銀時の袖を引いた。
一郎「なぁ、ここの水族館、あんなマスコットキャラいたっけ?」
銀時「ん?」
そう言われて一郎兵衛の指差す方へと目を向ける銀時。そこにはエリザベスが某有名ネズミのキャラクターに扮して立っていた。手に持っているプラカードには『大江戸水族館 新マスコットキャラ』と書かれている。
銀時「何やってんのあいつゥゥゥゥゥ!!いやいや無理!無理があるって!絶対バレるって!!」
頑張ってミッ●ー色に塗り替えられてはいるが、エリザベスを知っている者からすればエリザベスにしか見えない。いや、確かにエリザベスと同じ、幻の傭兵部族“蓮蓬”がいる事は先日確認された。だが彼らが帰還した今、江戸に蓮蓬はエリザベス以外にいない。(銀魂コミック四十一巻、第三百五十三訓~参照。)
銀時は慌てて葵咲の方へと目を向けるが、時既に遅し。葵咲がエリザベス(ミッ●ー仕様)を見付けてしまった!反応が怖い。銀時は冷や汗を垂らしながらゴクリと唾を飲む。すると…
葵咲「見て太郎ちゃん!マスコットキャラだって!可愛い~!」
桂「ふむ、なかなかだな。まぁうちのエリザベスには敵わんがな!はっはっは!」
吉本の如く盛大にズッコケる銀時。銀時は起き上がって物陰でツッコんだ。
銀時「なんで気付かねーんだよ!百歩譲って葵咲は良いとしても、ヅラは四六時中一緒にいるだろーが!!」
勿論、葵咲達には聞こえぬようにツッコむ。故に何も知らない葵咲達はエリザベスと記念撮影を行ない、次のスペースへと足を向ける。すると…
エリザベス『撮影はコチラ!!』
今度はドラ●もん仕様のエリザベスがプラカードを持って待ち構えていた。
今度はそれに対して一郎兵衛がツッコんだ。