第9章 一番風呂が一番良いとは限らない。
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、葵咲が今度はくしゃみをした。
葵咲「へっくし。」
土方「わーーーっ!バカ!!折角誤魔化したってのにィィィ!!(小声)」
それは葵咲の声そのものに近かった。土方はまた葵咲を怒る。そしてまたもや隊士が疑問を口に出す。
「今の声って・・・・。」
今度は必死に葵咲の声を真似て土方がくしゃみのフリをする。
土方「へっくし!!(土方裏声) こ、今度はくしゃみが出ちまったようだ・・・。」
「副長ってそんな声でくしゃみするんスか。何か可愛いっスね。」
土方「やかましいわ!」
土方の物真似が案外似ていたことから、ツボに入った葵咲は思わず普通のテンションで話してしまった。
葵咲「アハハ、結構似てますね~。」
土方「バカヤロォォォォ!!(小声)」
「今のは・・・・・。」
土方「へっくし!アハハ、結構似てますね~。(土方裏声) やべっ、くしゃみ止まらねぇわ。」
「くしゃみ!?今の、くしゃみなの!?」
土方「イチイチうるせぇな!本人がくしゃみだっつってんだから、くしゃみなんだよ!!」
それを見ていた葵咲は土方に合わせてくしゃみをする。
葵咲「へっくし!本人がくしゃみだっつってんだから、くしゃみなんだよ!!」
土方「オメーはやらなくていいんだよ!!(小声)」
「えぇっ!?今のもくしゃみ!?どんなくしゃみ!?」
必死に自分が頑張っている事を茶化されて土方は怒る。そしてそれに対して毎度絡んでくる隊士にも苛立ってきた。
土方「てめぇもイチイチツッコんでねぇで、さっさとシャワールーム出ろや!!」
「てめぇ…も?」
土方「(ハッ!)う、うるせェェェェェ!!」
「すっ、すんませんっしたァァァァ!!」
思わずボロが出た土方だったが、怒鳴り散らして誤魔化した。隊士は土方の謎の激怒に吃驚し、慌ててシャワールームを出て行った。
葵咲「ちょっと土方さん~、ボロ出さないで下さいよ~。」
土方「オメーが言えた立場じゃねぇだろ!誰のせいでこんな事になったと思ってんだよ!!」