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銀魂 - 雪月花 -

第86章 盲目すぎる恋は周りに迷惑を掛ける。


ここで仕方なく銀時の方が折れ、話は回想シーンへと戻る。

妖艶な色気の漂う占師からの願ってもない提供案。だがそれなりに波乱万丈な世を渡って来た一郎兵衛は、すぐに飛びつく事はなかった。その表情から笑みは絶やさぬまま、顎に手を当てて言葉を放つ。


一郎『…タダより怖ぇもんはねぇんだけど。何か条件でもあんの?』

占師『フフッ♡流石ねぇん♡お察しのとおり、この薬はまだ完璧じゃないのよん♡試作段階♡だから被験者になってもらえないかしらん?』


占師の話を聞き、先程の笑みは色を失う。真顔へと変わってしまう一郎兵衛は、小さなため息を漏らした。


一郎『おいおい、それ大丈夫なのかよ。』

占師『身体に害を及ぼしたりはしないわん♡そこは安心してねん♡ただね、まだ試作段階だから、一回飲めば未来永劫ずーっと想い続けてくれるって効力はないのよん♡一週間だけ…♡それと、飲ませた相手が必ず自分を好きになるって確約はないのん♡』

一郎『全然ダメじゃねーか。』


真顔どころか、呆れ顔になってしまう一郎兵衛。そんな彼の百面相を前に、占師は再びクスクスと笑う。そして薬について詳しく説明を始めた。


占師『まぁ最後まで話を聞いて♡飲ませてから約五~十秒後…胃に行き着くぐらいのタイミングねん♡そのタイミングで最初に瞳に映った相手を好きになる薬なのよん♡』

一郎『なんか鳥みてぇだな。』

占師『ある程度の難易度があるから、ホントに上手く出来るかの検証データが欲しくてねん♡どうする?研究が進めば効力は長くなるはずだから、被験者になってくれたら薬が完成した暁には安く提供するわよん♡』
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