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銀魂 - 雪月花 -

第85章 やましい事は顔に書いてある。


まぁそれはさておき。ここでふと浮かんだ疑問を銀時は口にした。


銀時「え、何?今日も一緒?」


この間の華月座プレオープンの際にも葵咲を迎えに行っており、今回は二人で行動。それは割と最近の事だった為、思わず口に出たのだ。
一郎兵衛が葵咲に好意を寄せている事は知っている。そして一郎兵衛が手段を選ばない肉食男子である事も。これはいよいよ本気で迫っているのだろうか、そんな事が頭を過りながら、銀時は葵咲と一郎兵衛を見比べた。
一方の葵咲は普段と変わりない様子でその理由を述べる。


葵咲「この間の入れ替わりのお詫びと、差し入れのお礼にって。」

銀時「俺も一緒に入れ替わったんだけど。俺への詫びは?」


ここでもごもっともな意見をぶつける銀時。むしろ巻き込み事故にあったのは自分ではないのか。自分こそお詫びを受け取っても良い対象ではないのか。
だがそんな質問をする銀時に、一郎兵衛は平然とした態度で応える。


一郎「オメーは楽しんでただろ。」

銀時「あの後どれだけ大変だったと思ってんだよ!なんか身に覚えねぇ視線ばっかだったんだけどォォォォォ!?」

一郎「それは俺のせいじゃねーよ。」


あの後、本編では語られぬ知られざる時間(とき)の中で、実は銀時は大変な目に合っていたのだ。それは葵咲が銀時姿で土方に向けた熱い視線もそうだが、無意識の態度で好意を抱かれた女性達からの目線も然り。全く身に覚えのない言動や扱いに翻弄されたのだ。
その事に関して、一郎兵衛は何か閃いたように表情をパッと明るくして銀時の肩にポンと手を置いた。


一郎「でもま、これで証明されたじゃねぇか。人間外見じゃねーって事だな。オメーも内面磨けばそこそこモテんじゃね?」

銀時「それフォローのつもり!?全然フォローになってねぇんだけど!!むしろ今の俺全面否定されてるだけなんだけどォォォォォ!!」


一郎兵衛は全く悪気なく銀時もモテると励ましたつもりだったらしいが、銀時から言わせれば今の自分じゃモテないとダメ出しされたも同然。火に油を注いだだけだった。
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