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銀魂 - 雪月花 -

第84章 人を陥れようとすると足をすくわれる。


それから約一時間後。葵咲と銀時は薬の効力切れで元の身体に戻った。


葵咲「やっと元に戻ったァァァァァ!!」

銀時「戻る時は案外あっさりだな。」


やれやれ、そんなため息を漏らしながら銀時も安堵の表情を浮かべる。結局一郎兵衛からの依頼は完遂出来なかったが、戻ってしまっては仕方がない。長居する理由もない為、その場を後にしようとした銀時だったが、そんな銀時を葵咲が肩を掴んで引き留めた。


葵咲「待って銀ちゃん!」

銀時「なっ、何だよ?」


両手で肩を掴まれ、向き合う形で真剣な眼差しを向けられる。入れ替わっていた間の文句でも付けられるのだろうか、そう身構えた銀時に思いもよらない言葉が投げられた。


葵咲「明日のお昼、12時に家康像の前に行って。」

銀時「は?」

葵咲「土台は作ったよ。けど私がしてあげられるのはここまで。後は銀ちゃん次第だから。頑張って。」

銀時「? 何の話だよ。」


何の話をしているのか、どういう状況なのかすら全く分からない。頭に大量の疑問符を浮かべる銀時だったが、その事に関して葵咲は特に説明もせず、深く頷いて笑顔を向けた。


葵咲「まだまだこの件に関しては世間の荒波はキツイと思うけど、負けないでね。」

銀時「だから何の話なんだって聞いてんだよ。」

葵咲「でも銀ちゃんなら大丈夫だと思うから。じゃあね、検討を祈ってる!ビバ☆おっさんずラヴ!」


そう言って親指をグッと立てて葵咲は笑顔でその場から立ち去った。銀時はそんな葵咲の背を引き留めようとするも、一つ気になるワードがあって立ち止まる。


銀時「おい!俺の話…!…つーか今あいつ、おっさんずラブっつった?」


取り残された銀時の肩に、一郎兵衛がポンッと右手を置く。そして心底申し訳なさそうな顔を浮かべながら謝罪の言葉を述べた。


一郎「銀、すまん。本っ当ーに、スマン。」

銀時「なんだよ。お前ら何したの?」


嫌な予感しかしない。葵咲絡みで謝られてもろくな事がない。理解出来ぬこの現状について説明を要求するも、総悟は至っていつもどおりの表情で両手を前に出して銀時を宥める。


総悟「まぁまぁ旦那、全ては明日分かる事でさァ。とりあえず明日、家康像の前に行って下せぇ。」

銀時「・・・・・。」
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