第84章 人を陥れようとすると足をすくわれる。
翌日。
銀時は仕方なく言われるがまま家康像の前に足を運んだ。
家康像の前には仁王立ちで殺気を放っている男が一人…。土方だ。土方は鬼の形相を浮かべて立っていた。
銀時「ん?何でオメーがここにいるんだよ。」
その姿を見付けて思わず声を掛ける銀時。声を掛けられ、土方はその怒りの形相を銀時へと向け、即座に刀を抜いて銀時の首元へと突き付けながら叫んだ。
土方「金輪際、二度と!俺に近付くんじゃねェェェェェ!!半径50m以内に近寄ってみろ!ストーカー規正法でしょっ引いてやるからなァァァァァ!」
銀時「・・・・え?」
そう言って土方は急いでその場から立ち去ってしまう。その様子を街路樹の茂みから見ていた総悟はまたもや大きく噴き出した。
総悟「ぶふーーーーーっ!」
一郎「ちょ!お前笑うなって!俺必死で堪えてんのに…!」
勿論、一郎兵衛も一緒に様子を見に来ている。一郎兵衛は総悟につられて大笑いした。その声を聞きつけた銀時は、二人の前へと立ちはだかる。
銀時「…おい。どういう事だ?これは。」
総悟・一郎「あ…。」
二人は昨日銀時の身に起きた悲劇について説明した。ある程度の予測はしていたものの、まさかのBL発動に銀時は叫び声を上げるしかなかった。
銀時「テメーら…何やってくれとんじゃァァァァァ!!」
人の噂も七十五日。そうは言うものの、七十五日とは二ヶ月以上の時を有する。様々な方面に、あらぬ噂が流れてしまった銀時は、しばらくの間大変な目に合ってしまう羽目になったのだった。