第6章 ろく (BSD/中原中也)
「これ……」
「贈答品[プレゼント]だよ。」
「え、有ったの!?」
「先ず俺は無いとは言ッてねぇ。」
「あっ…」
「俺はクリスマスだとかは正直如何でもいいが…手前は好きだろ、乞う云うの。」
まァ偶には何か遣るッてのも、悪くはねぇし、その口実には丁度良いだろ。
そう続ける中也は、少し恥ずかしいのか視線を反らして自身の項の辺りを掻いていて。
…もう、何て愛しい男(ひと)なんだ。
緩む口角は最早放置して、勢い良く彼に抱き着いた。
「っと、」
「……中也」
「あ?」
「すき」
「…………」
「ありがとう、これ」
「…おう」
「ほんとに、だいすきだ、中也」
「……あァ、俺もだ。」
「すき?」
「ああ、好きだ。手前を愛してるよ、俺は」
「ふふ、嬉し」
周りに人が居れば恥ずかし過ぎる程の愛の羅列。
けれど矢っ張り、「すき」と声に出して云って貰えるのはとても心充たされることで。
こんな最高のクリスマス、今までにない。
「此れなら今日超速で仕事終わらせられるかも。」
「は、そうかよ。期待してるぜ、。」
最後に、額に一つ口付けを落とされて。
私も少し背伸びをして中也の骨ばった首筋に唇を寄せる。
もう一度顔を上げて、中也とにやりと笑い合って。
…嗚呼、今日は最高の仕事に為りそうだ。
Fin
9巻、たった5コマの中也さんにもやられました。
ワイン持ったにやり顔…………最高………………(鼻血)
あとキャラクタービジュアルと紀章さんにも私のHPは減らされました。