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短い話たち。

第4章 よん (BSD/中原中也)



嗚呼、何故私が迎えに行かないといけないんだ。

道造が運転する車の助手席で、窓の外に見える森をぼんやりと眺めながら、先程からその問いしか頭に浮かんでこない。

乞うなった原因は1時間前に遡る。


『あ、?悪いんだけど、中也迎えにきてくれないかい?』


暗くなってから、太宰がギルドに捕らわれた久作を奪還しに行った。

明るいうちに行われた武装探偵社とマフィアとの密会は交渉決裂に終わったけれど、実際対等な同盟を結ぶ論理解は存在する。

貸しを作るために、森さんは今夜『双黒』を再結成させるだろう。
屹度久作の監禁場所には中也が来る。

私は出る幕ないなと思いつつ、社でゆっくりしていようと思っていたのに。

もう夜遅いし、少し眠気が襲ってきていたときに携帯の機械音が鳴り、相手も確認せずに出てみればそう言われた。


『………は?』

『あ、場所はQの監禁場所ね。Qも居るから一緒に宜しく。』


少し寝惚けた頭にそんなこと言われても反応出来るはずもなく。

しかし太宰は私の答えなど聞かずに電話を切りやがったのだ。


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