• テキストサイズ

短い話たち。

第3章 さん (不機嫌なモノノケ庵/阿倍晴齋)


「っ、ちょ、晴……!」


阿倍はの問いに答えることなく、彼女の制服のカーディガンを少し捲り、スカートの上からのお腹に手を当てたのだ。

そしてそのままゆっくりと撫でさする。


「晴……!?」


普段の彼らしからぬ行動に、とりあえずは動揺を隠せず。

勿論恋人であるから優しさがないというわけではないが、彼はあまりそれを表には出さない。

前に、たまにはデレてよと言ったら案の定すごい顔をされた覚えがある。


「少しは楽か?」

「ん、うん、」

「ならいいけど。」


実際こういうときはさすられるだけで少し痛みが治まる。

その手の温かさと程好い行き来、そして今の時期にしては暖かめの気候も相まって、は睡魔に誘われる。


「芦屋が来たら起こすから、しばらく寝てろ、。」

「ありがと、晴…」


が寝たのを確認して、阿倍は着ていた羽織を脱いで彼女に掛けてやる。

辛いときくらい甘えてくれてもいいものだが、彼女は実際それが出来ない質であるのはよく分かっている。

だからこそこっちから甘えさせてやらないといけないのだ。

阿倍はふぅ、と小さく息をつき、の黒髪を撫で、その目許に口づけた。



Fin.


(………!!)
(…毛玉何も見てねえよな?)
(ブンブンブンっ(首肯))

(俺いつ入っていいんだろう……)
/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp