第7章 建前と本音
春香の心の傷は、月日の流れと共に、少しずつ回復していった。
任務へも、出れる様になった。
出られる様になるまでには、かなりの時間がかかったが、皆が根気よく付き合ってくれた。
それでも、一期への想いが簡単に消える事はなく、たまにだが、夜中に目が覚めてしまい、眠れなくなってしまう事もあった。
寂しさに心が震える日もある。
一期が最期に、記憶がなくても、また、ここへ戻ってくるとは言っていたが、だからと言って、鍛刀をする気にもなれず、流れる時に身を委ね、気付けば秋の香りがし始めていた。