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淡い恋 [刀剣乱舞]

第5章 儚い恋


「ここまですんなりこれた事だけマシか。戦闘体制入るよ!」

春香は一番隊に指示を出す。
いつもながらに、無傷で敵を蹴散らした。
それに安堵して、先へ進もうとした時、敵の増援が来た。

投石兵で、威嚇はしているものの、軽症程度であまり効果が見られない。
それどころか、先ほどよりも明らかに強い。

敵を一掃して、また敵が来てを何回繰り返しただろう。
後はこいつらを倒せば、敵の本陣と言う時、検非違使が現れた。

「嘘だろ⁉︎」
「冗談きついぜ…」

皆、中傷以上の手傷を負っている。
しかし、向こうがこちらに対して完全に戦闘体制をとっているので、逃げられない。

「やるしかない、か…」

春香は奥歯をギリっと噛んでいる。
加州、安定、一期は確実に重傷だ。
三日月、小狐丸、鶴丸もまだ中傷程度だが、気を抜けない。
これ以上戦闘を続ければ、重傷どころでは済まない可能性もある。
しかし、本丸に帰るためには、検非違使を倒すしかない。
意を決して、皆に叫んだ。

「皆!こいつらを倒して、家に帰ろ!」

春香の言葉に、最後の力を振り絞って、六人は検非違使へ向かっていく。
なんとか一体、また一体と、敵を倒して行くその姿に、春香はぎゅっと拳を握って見守っている。
後二体と言う時、検非違使の槍がニヤリと笑った。
それに皆、攻撃が来ると思い、身構えたが、向こうは思いもよらない行動に出た。
これまで、全く視界に入れてなかった春香に向かって行ったのだ。

「春香!」

加州が叫んだ時には遅く、槍は春香との距離を一瞬でつめた。
最初の一手はなんとか受け流せたものの、次の瞬間には足元をすくわれた。
倒れてしまった春香に敵が剣先を向けて、突っ込んでくる。
ダメだと思い、春香は目をぎゅっと瞑った。
が、痛みの代わりに、体は温かい何かで包まれている。
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