• テキストサイズ

淡い恋 [刀剣乱舞]

第3章 無自覚の三角関係


一期は任務の合間を見ては、手合せに励む日が続いている。

ずっと周りの一歩後ろを歩いている控えめだった一期がどんどん頭角を表し、ついには2番隊にまで上がった。
その一期の行動に少し緩んでいた本丸の雰囲気に良い刺激を与えている。

今日はやっとお願いを聞き入れてくれた山姥切との手合わせ稽古中の様だ。

「お手合わせ、お願い申し上げる。」
「写しの俺なんかと手合わせして何の得があるんだ?しかし、手は抜かん!」

2人の手合わせの音が激しく鳴っている。
その様子を骨喰と鯰尾がこっそりと覗いていた。

「あんた達、何やってるの?」

後ろから声をかけられ、2人はうわっと驚いた。
2人の後ろには、春香と加州、安定が居た。

「なんだ、主様かぁ。鶴丸さんじゃないんだから、驚かさないでよね。」
「俺はそんなに驚いてないが。それより、あまり大きな声を出すといち兄に気づかれる。」
「なんだとか、主に向かって失礼な!てか、2人は一期の手合わせを見てたの?」

春香は2人の後ろから中を覗き込んだ。
中では2人が真剣に手合わせをしている。

「まっまんばが手合わせしてるよ…!ちょっと感動かも…!」

春香はその光景に感動している。
いつも中々周りと上手く溶け込んでくれず、手合わせなどはほとんどやってるのを見たことがなかった。

「あっ本当だ。前に僕がお願いした時には軽くあしらわれたんだけどなぁ。」

安定が少し不服そうに言った。

「まさか山姥切が手合わせをしてるとはなぁ。こりゃ驚きだぜ。」

「ひゃあっ!?」
「ウワアァッ‼︎」
「ぎゃあぁっ!」

もう自分たちの後ろには誰もいないと思っていたら、鶴丸が表れた。

「はっはっはっ。驚いたか?」

皆の驚きぶりに鶴丸は満足そうに笑っている。

「もぉ!毎回言うけど、驚かさないでよ。」

春香はむぅと膨れた顔で言った。

「悪い悪い。でもな、世界は愛と驚きで満ち溢れてるんだぜ?」

鶴丸が当然とばかりに言うので、春香はため息をついた。
/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp