第11章 馴染む、そして
また、ある日の少女は朝から友人に朝食で文句を付けられている。
「またフルーツとスープだけなの!?
ちゃんと食べなきゃダメだと言ってるじゃない!」
「ヒカル、これも食べな?」
そう言ってパンを差し出してきたのはアンバー、
軽く憤慨しているのはアンナ、
どちらもヒカルにとって初めてできた同学年の友人である。
周りと比べて垢抜けない感じの残る少女はこの友人2人に嫌というほど構われている。
少女としては四つも下の子より幼い印象であることを悩んでいるのだが、
初めの方は遠巻きに接していたスリザリン生からも今では可愛がられていた。
(可愛がるのと同じぐらいスカートの丈について言われてきたが少女はそこに関して譲る気はなかった。)
『毎日言うけど、ほんとに入らないよ……。
お昼ご飯はちゃんと食べてるでしょ?』
「あんなの食べてるのうちに入らないわ!」
「そうよ、肉類がほとんどないじゃない。」
「ヒカル、また食べてないのか?」
『リドル君!またそんな言い方!』
少年は学年が上にも関わらず少女にだけはとてもとてもフランクな(年功序列の日本で育った少女からしたら酷く失礼な訳だが)口調で話しかけてくる。
「こんな幼い君を先輩だなんて。
どちらにしろ年齢だけで
ホグワーツに関しては後輩だろ?」
せめて落ち着きのあるようになってから言いなよね、と頭をぽんぽんと叩く。
『〜〜っ!!子供扱いしないで!
リドル君には抜かれないんだから!
アンバー、パン取って!食べる!!』
少女が来る前より少しだけ賑やかになったスリザリンのテーブルは少女を中心に暖かな雰囲気になっていった。