第3章 到着
―カタッ…
「さて、お嬢さんは何を望む。」
カップを置く音がやけに大きく聞こえた。
二人きりになったこの部屋で正面から青い瞳は少女を見つめている。
少女は小さく深呼吸をしそして伝えた。
『私に魔法の使い方を教えてください。出来れば衣食住も確保したいです。』
この古城が見えるので多少なりとも魔力はあるのだろうと考えられた。
そうなると魔力はある程度制御したい。
こちらにどれだけいるか分からないが衣食住が無ければ何も始まらない。
できることならトリップの定番、ダンブルドアの養子枠を狙いたい。
ほぉ、と感心からか老人の瞳は好奇心でキラキラと輝きながら少女を見つめる。
全てを見透かそうとする冷たさも同時に宿しながら。
「望む者は誰でもその学を受けることが出来る。
衣食住はここに住めば良かろう。わしの方から校長に言っておく。何ならわしの孫娘にでもなるかのぉ。」
ほっほっほっ、と朗らかに笑いながら老人は答えた。
『ぜひ、ぜひお願いします!!』
「わしもこの年になって孫娘が出来るとは思っておらんかったぞ。よく学びよく遊び琴吹が素晴らしい魔女になる事を願っておるぞ。」
こうして少女は衣食住を確保しダンブルドアの孫というポジションを手に入れたのだ。
【到着】