第14章 【縁下兄妹、東京へ行く】後編
わいわいやっている女子陣、野郎共の幾人かがそれを眺めている。
「やー、何回見ても烏野の女子陣はレベル高ぇな。」
木葉がニヤニヤしている。
「でもゲストの奴はなー。」
うっかり正直に言う木葉に小見が苦笑する。
「まあ可愛いとは言えねーな。」
「地味だな。黒尾が地味リボンって言う訳だわ。」
猿杙も言い木葉がだよなと言った所で東峰が珍しく頑張っていやその、と口を挟んだ。
「いい子だよ、ちょっと変わってるけど。」
「そら身内はそう言うだろうがよ。」
「おいお前らその辺にしとけ。」
意外にもここで話に参加したのは夜久だ。
「あそこの兄貴が耳にしたら面倒くせぇ。」
木葉は何だよという顔をする。
「シスコンか。」
「シスコンだ。」
身内の東峰がいる前で夜久は遠慮なく肯定した。
「それも病気レベル。」
「あの夜久君、その辺にしてくれないか。確かにうちの縁下は美沙さんの事になると心配性が強くなるけど。」
「あのなーあれが心配性が強くなるレベルかよ、あの練習試合で見ただけでもわかったぞ。うちのリエーフが木兎みたいにひっつかんじまったの差し引いても過保護じゃねーか。」
「う。」
「どうせなら最後までちゃんと抵抗してやれこのネガティブヒゲッ。」
「スガ、勘弁してくれ。」
「これだからヒゲチョコは。」
「大地は追い打ちかよっ。」
一方で赤葦が木兎を引きずってマネージャー陣と話している美沙の所へやってきていた。
「ままコさんさっきはごめんよ、うちの馬鹿主将が暴走しちゃって。ほら木兎さん。」
「やー悪い悪い、あんまりにもアレだったからついよ。って馬鹿は余計だろっ。」
「あ、貴方が噂の主将さんでしたか。大丈夫です、何か逆に吹っ切れました。」
「良かった。ままコさんに何かあったら俺も縁下君に殺されかねないからね。」
「うちの兄さんは一体。ちゅうか赤葦さんまた何でハンネ呼び。」
「面白いから。」
「ちょお待って何かおかしい件。」
「あんだけオンラインでやってる人が言ってもな。」
「何ちゅう扱いっ。」