第61章 【烏と狐といろいろの話 その2】
「北さんっ、それーっ。」
「今言うたらあかーんっ。」
双子に突っ込まれては世話がない。
一方で力は叫びそうになっている義妹を押し留めている。
「美沙、我慢して。」
「まま兄くんも顔真っ赤やん。」
「侑君、今それ言わないで。美沙、ダメだって。」
「無理い、さっきから我慢しとったのに絶対無理いいい。」
「もう抱っこしたりって。」
「おばあ様が見てるのに無理だよ、治君。」
「お前ら、何騒いどるんや。」
「こればっかりは北さんのせえやん。」
「侑は何言うてんねん。」
「いや、今回ツムのは事実です。」
「ようわからん。」
「北さんの阿呆ーっ。」
「こら美沙っ、やめなさいっ。」
一連の大騒ぎの中、北結仁依は画面越しに孫と周りでわあわあ騒ぎ出す少年少女達を見つめて、楽しそうでよろしいわと思っていたという。
そうして通話は終了、やっと騒ぎが収まった。