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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第51章 【Sorry for Dali その4】


いつものパターンなので言うまでもないと思われるが念の為言っておくと、青葉城西高校男子バレーボール部主将にして月刊バリボーで特集が組まれるレベルの実力者、及川徹がいた。
そしてこれまたいつもどおり、側には及川の相方にしてエースの副主将の岩泉一、更には3年の松川一静、花巻貴大、2年の矢巾秀、渡親治、京谷賢太郎、1年の金田一勇太郎に国見英が勢揃いである。

何でこないな時に限ってとスープのスプーンは離さずに空いている片手で頭を抱える美沙を他所に及川徹は話を進めた。

「ちょっとちょっと、何で美沙ちゃんと伊達工の茂庭君が一緒にいるわけ。」
「お、俺は」
「ハッ、まさか茂庭君てば美沙ちゃんを誘拐っ。美沙ちゃんダメじゃん、ほいほいついてっちゃ。」
「アンっタは阿呆かーっ。」
「美沙さん落ち着いてっ、ほら、座って座って。」
「そうそう、えーと、おっちんとん、だっけ。しないとねぇ。」
「及川もやめろってっ。」
「ヤダなもう茂庭君までマジになって。じょーだんだよ。」

面倒くさい事この上ない冗談である。
及川さんはええ人やけど会う度ほぼこないなるんが嫌や、と美沙は内心で嘆くが勿論伝わるわけがない。

「で、実際のとこ何でまた美沙ちゃんと茂庭君が一緒にいるの。」
「私がお願いして一緒に来てもろたんです。パソコン部の先輩が美術展のチケットくれたんですけどうちの兄さんは練習入ってて、さりとて1人というんも何やったし。」
「ええええええ、何それ茂庭君ずるいずるいっ。俺も美沙ちゃんとまたデートしたかったのにっ。」
「ずるいって、俺だってたまたまだよ。それに及川の場合は信用がないんじゃないか。」
「ちょっとっ、茂庭君にまで言われるって何事っ。」
「縁下君から聞いてるぞ、美沙さんにセクハラしまくるから手を焼いてるって。」
「縁下君は相変わらずでひどいっ。及川さんの愛情表現をセクハラってあんまり過ぎっ。」

騒ぐ及川に、とうとうこの男が動く。

「このクソボゲ及川っ、いい加減店の中で大声出すんじゃねぇっ。」

相方の岩泉がキレたのとゴンッという鈍い音、そして及川が痛いっと叫ぶのは同時だった。
なお、当の岩泉も大声である点はそっとしておこう。
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