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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第51章 【Sorry for Dali その4】


「まだ何も言ってないんだけど。」
「何かの予感がしてもて。」
「美術館に居た時は逆に俺をおちょくった癖にさ。」
「はて。」
「ホントに、いつから人を翻弄するようになったんだかな。」
「せやけど二口さんよりはおとなしいでしょ。」
「本人に聞かせちゃいけないフレーズの一つだな、それ。ちなみにパン籠の絵はどんな風に感じたの。」
「後ろ真っ暗でシンプルやのにパンが妙にリアルなところが妙に印象に残ってしゃあないです。」
「なるほどね。」

ここでしばしの沈黙、美沙と茂庭はもぐもぐと食する。

「二口さんといや、」

サラダを2人前平らげて美沙が口を開いた。

「私に半分ボケ言うたり兄にどシスコン言うんはアレですけど、やっぱりバレーはめっちゃ頑張ってはるんでしょうね。」
「ああ、そうだな。」
「言うても主将さんですもんね。」
「俺ら3年が居た頃はクソ生意気な後輩、ってとこが目立っちゃいたけどバレーに関してはいつだって本気だったよ。今だって、ね。」
「もしかして二口さんは強烈なツンデレ説。」
「美沙さんが言っちゃうのかい。」
「私ツンデレちゃいますもん。」
「縁下君も烏野のみんなも大変だな。」
「なんぞ言わはりました(おっしゃいましたか)。」
「いや何も。ついこないだも練習チラ見してきたけど、ちゃんと主将してたよ。」
「それは何よりです。でもきっと次かてうちの兄さんのチームが勝ちますけど。」
「お、言ったな。二口に伝えとくよ。」
「あかーんっ。どう考えても出くわした時にめんどいことになりますやんっ。」
「こらこら、めんどいって。うっかり縁下君の前でその言い方して怒られても俺知らないぞ。」
「茂庭さんがとんだブラックジョークを言わはるから。ちゅうか何で言い回しの事知ってはるんですか。」

ブツブツ言ってから美沙はスープを口に運び、茂庭がもぎゅもぎゅと食べ続けるその少女を見て微笑んだ時だった。

「あーっ。」

烏野に来てから文字通り嫌という程聞き慣れた声に美沙はゲッと呟き、

「美沙ちゃんがいるっ。」

向かいに座る茂庭は気の毒なレベルで動揺していた。
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