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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第41章 【王者の命】その1


「そういう訳だから」

力は続けた。

「今回は俺も入念にチェックしてる。それでも万一俺が忘れ物をしてたとして、気がついても絶対に白鳥沢へ突撃するなよ。」

念には念をと力はじぃっと美沙の目を見つめる。美沙は一体どう思ったのかブルルッと一瞬身震いをした。

「わかった。」
「ああそれとこれはいつもだけど、オンラインでまたライブ配信する時は煽りとか荒らしコメの相手はしない事、普段やり取りしてない奴にいきなりチャットアプリのIDを教えないこと、顔出しにならないようにする事、もし外に出た時に伊達工の二口君と会っても喧嘩しない事、及川さんと会ってセクハラされそうになったら即刻岩泉さんに対処してもらう事。」
「及川さん完全にセクハラする前提やん。って、いやその事実やし実際困っとうけど。岩泉さんがおらんかったら向こうに連絡でええの。」
「それでいいよ。ああ忘れてた、稲荷崎の宮君には何と言われようとメッセージアプリとかメールとかの生の連絡先は教えない事。」
「宮さんは2人おるで。」
「ああそうだった。侑君、治君両方。」
「最近角名さんからもフォロー来たんやけど、SNSの垢。」
「もうお前どうなってんの、まぁ聞いた感じ角名君は大丈夫そうだけど生の連絡先は同じく駄目。」
「ちゅうか兄さんいっつもいっつも注意事項長いっ。最近更に長くなっとうしっ。」

ビシッと指さして突っ込んでくる義妹にしかし力はにっこり笑った。

「お前があんま人を疑わなかったり時々物凄い行動力発揮しちゃったり、どういう訳か他校を引き寄せちゃったりしなきゃこんな心配いらないんだけどな。っていうのも完全にお約束になってるんだけど。」
「また木下先輩と成田先輩におちょくられたらええねん。」
「何か言ったか。」

もう一度笑いかけると義妹は顔を青くして首をブンブンと横にふるのだった。


義妹とそんなやり取りをした後、力は家を出て学校に向かう。校門前では既にいつも試合などでお世話になるスクールバスが停まっていて既に顧問の武田、コーチの烏養、主将の澤村大地と副主将の菅原孝支、彼らと同じ3年の東峰旭が来ている。
早速お早うございますと挨拶をして少し話しているうちに他の排球部のメンバーも続々と集まってきて予定通りに出発できる形になった。
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