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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第8章 【獅子の姉、萌える】


「つか美沙、そこはお世話になってますだろっ。」
「しょっちゅうオンラインで君に突っ込まなきゃなんない私の立場になってくれ。」
「美沙だってすぐキノコキャラのスタンプ送りつけてくるじゃん。あんな菌類だらけの履歴美沙だけだかんなっ。」
「知らない。」
「つか何で急によそよそしいんだよ。」
「状況を考えてくれ、リエーフ。」
「あ、わかった。」
「どうしたの。」

心配になってアリサは口を挟む。急に姉の自分が割って入ったのがこの縁下美沙とやらの気に障ったのだろうか。

「人見知り発動してる。」
「うるさい。」
「どうしてわかるの。」
「こいつホントは関西弁なの。」
「え、宮城の人なのに。」
「ちょっと事情がありまして。」
「親が死んでばあちゃんに育ててもらったんだけどそのばあちゃんが関西人だったんだって。」
「あ、こら」
「まぁ大変。」
「でもばあちゃんも死んじゃって今縁下さんって人のとこの子になってんの。」
「ちょぉリエーフ、アンタな」
「だから兄ちゃんつっても義理。」
「アンっタはアホかあああああああっ、誰がそこまで喋ってええ言うたああああああっ。」

とうとう関西弁で抗議する縁下美沙だがアリサはそちらは全く気にしない。気になったのは弟がさらりと語ったその人生でそれはたちまちのうちにアリサの涙を誘った。

「可哀想に、あなた色々あったのね。」

ぶわっと吹き出した涙をブラウスの袖口で拭いながらアリサは言う。当の縁下美沙本人は特に悲壮感がないが結構波乱に満ちた人生だ。なのにこの子、アリサは思った。レーヴォチカに突っ込むくらい元気にしてる。

「いや別に弟さんにも言ってますが私別に可哀想な事ないです、むしろめっちゃラッキーです望んで引き取られたし今のお父さんもお母さんも兄さんも無茶苦茶優しいし。」

顔を赤くして早口で言う縁下美沙はやはり照れていてアリサはなるほどレーヴォチカはこの照れ屋さんなとこが気に入ったのかしらと勝手に思う。
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