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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第39章 【トラブルドゥトラベリング】その5


ここで読者諸氏は誤送信したならゴタゴタ言っていないでとっとと取り消せばいいではないかと思うだろう。
だがしかしこの時縁下美沙は及川に送ってしまったと気づいた時点で思考がフリーズ、他の連中も動揺していて月島ですら早く消せと言いそびれたのである。

そしてその短い迷いは宮城できっちり面倒なことを引き起こした。


その頃、美沙の義兄である縁下力は早い時間に部活が終わり―この際細かい事は気にしてはいけない―、男子排球部の仲間達と帰路についていた。
正直今も義妹が心配である。よりにもよって修学旅行先でまで他校を引き寄せしかも相手は稲荷崎高校の宮兄弟ときた。
片方が前々から義妹のファンになってしまっているしこの分ではもう片方もどうなるやらわかったものではない。

「変なことになってなきゃいいけど。」
「縁下、諦めろ。」

思わず漏れた呟きは木下に素早く拾われた。

「木下まで何だよ。」

むっとして睨む力に木下はや、だってと笑って返す。

「何せ美沙さんだろ、でもう稲荷崎引き寄せちゃってあの電話事件だろ。もう変なことになるしかないじゃん。」
「他人事だと思って。そりゃ他人事だろうけど。」
「てかもう美沙さん絡むと必ず何か起きるからこっちも開き直るしか。」
「だな。」

成田まで木下に同意する為に力はムスッとした。
シスコンだの過保護だの義妹が絡んだ時だけおかしくなるだの毎日のように色々言われるが誰が何と言おうと心配なものは心配なのである。
今頃は一体どうしているのだろうか。しばらく前にスマホのメッセージにアプリへ連絡が入った時はどうやら観光の真っ最中、ちゃんと谷地、月島達と行動しているらしいので知らない奴に連れて行かれる可能性は現状なさそうではある。だがしかし公衆の面前で喧嘩をする可能性は高い。
人見知りのビビりの癖に一度腹を括ったり開き直ると及川をはたき、二口と喧嘩し、ウシワカを天然呼ばわりするような怖いもの知らずになる義妹だ、もし宮侑に何か言われたら我慢できずに言い返しかねない。そしてそうなった場合おそらく谷地、月島達では対処しきれない。

「せめて口喧嘩で済んでたらいいけど。」

ここで力はつい思考をそのまま口に出してしまう。そら始まったと木下が言っているがそれは無視だ。
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