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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第39章 【トラブルドゥトラベリング】その5


「ナンパされる心配の次は喧嘩する心配かよ。」

成田も苦笑している。

「あいつ名誉を傷つけられたって思ったら誰相手でも黙ってられないから。」

まぁ確かにとここで田中が口を挟む。

「縁下妹は兄貴侮辱されてブチギレた実績があるしな。」
「及川に抱っこされたらベシベシ叩くしな。」
「西谷、今その話を縁下にするのはまずい。」
「何でだ一仁。」
「ああああああそうだ、忘れてた。セクハラされてないかな、そっちのが問題だ。」
「そら見ろ。」

成田がため息をついて西谷をチロリと見、当の西谷はおお、といった様子で力を見つめている。

「力は毎回心配がつきねぇな。」
「ありゃ大体自分のせいじゃね。」

木下がポツリと指摘するのも力は聞いていない。

「縁下、」

とうとう3年仲間と前の方を歩いていた澤村が振り返った。

「気持ちはわかるけどその辺にな。それじゃあ身がもたないぞ。」

そうだよな、と遠慮がちに口を挟むのは東峰である。

「美沙ちゃんだってその、いつか1人で遠くに行くこともあるだろうし。」
「てか野郎が寄ってくるのが心配ならいっその事あれだって、寄ってきた連中手玉に取る方法を教えたらいーじゃん。」
「旭っ、スガを抑えろっ。」
「何だよひでぇ俺傷つくっ。」
「今ここで悪ノリはやめろややこしいだろっ。」
「それに美沙ちゃんはそういうの出来ないと思う、いい子だもの。」
「清水までっ。」

騒ぐ菅原に対し力は1人うーんと唸った。

「そもそも何でこう美沙は色物フィーバーになっちゃったかなぁ。及川さんと絡んだのが運の尽きとしか」

ブツブツ言っていると、ふいにちょっとぉと軽いノリの声がした。

「そりゃひどいんじゃない、縁下君。」

力は勿論、烏野の全員が足を止めて声がした方を凝視した。
力にとってはとてもとても面倒な光景だった。


噂をすれば、と言うべきなのか及川徹以下青葉城西高校のバレーボール部の面々がいた。
それだけならいい。加えて二口堅治率いる伊達工業、更に―これが一番問題かもしれない―ウシワカこと牛島若利以下白鳥沢学園高校のバレー部までいる。
また何だってこんな時に勢揃いするんだと力は舌打ちしたい気持ちを頑張って抑えた。
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