第37章 【トラブルドゥトラベリング】その3
「私にツッキー呼ばれるよかマシやろ。」
「当たり前デショ、アンタに呼ばれたら総毛立つし。」
「ほなたまにモテ島君くらい我慢しぃな。」
「は、何それまるっきしおばさんの喋りじゃん。」
「おいあの眼鏡、聞き分けつくんか。」
「銀、指さしたらあかんて。」
「せやかて小作も気になるやろ。」
「メディアで関西弁はよく見るし毎日あの子と喋ってたらだんだんわかってくるんじゃない。」
「なーなー飛雄くん、主将とバトったって何なん。」
「ちょい前にままコも一緒に試合の観戦行ったら伊達工に会ってそこでままコと向こうの主将が喧嘩になりました。向こうの主将めっちゃ口回るんすけどままコも全然負けてなくて。」
「えー見たかったわぁー。てか飛雄くんもおもろい話は教えてぇな。」
「別に、ままコいる時は普通ですし。」
「それが普通てあのネットアイドル何やねん。」
「あの主将とは特に仲悪いみたいっす。」
「仲間内とも大概やないか。」
「月島は俺もムカつきます。」
影山が治に受け答えしている間も美沙は月島とまだ言い合っている。
「物言いちょい古いんはばあちゃんから受け継いだんやからしゃあないんですー。」
「何亡くなった人のせいにしてんの。」
「柄悪い喋りよりええやないの。」
「そうだけどそっちじゃない。」
「アンタしまいに体力なくなるで。」
「誰のせいだと思ってんのさ。ったく、ホント面倒くさい。田中先輩の相手してる方がまだマシ。」
「まあまあ、美沙さんもツッキーも落ち着いて。」
「そうそう、せっかく京都まで来たんだし。」
山口になだめられ谷地にも言われては美沙も大人しくなるしかない。
「ごめん月島。」
「別に。」
とりあえずこれで内輪揉めは落ち着き、稲荷崎高校バレーボール部2年と烏野高校男子排球部1年―ただしパソコン部も含む―奇妙な一行は目的地への向かうのだった。
そういう訳で歩いたり乗り物に乗ったりして奇妙な一行は映画村へとたどり着く。
「すげーっ。」
早速日向がやかましい。
「見ろよ忍者が歩いてるっ。」
「ホントだっ。あ、日向あそこ映画で使われてたとこだよっ。」
山口も興奮気味で
「もしかしてどこかで何か撮影してたりもするのかなぁ。」
谷地も高揚しており、影山も密かにソワソワしている。