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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第27章 【パニック at the 文化祭】後編 その3


「兄さーん。」

呼びかけながら谷地と一緒に駆け寄ると義兄が気がついた。

「縁下さん、こんにちは。」
「美沙。それに谷地さんも。」

力も駆け寄りながらしかし義妹の姿に眉をひそめる。

「お前また着替えもせずに。」
「めんどかったし梟谷のマネさんらと写真撮るって約束やし。」
「変なのに絡まれなかったろうな。」
「大丈夫。」

今はという言葉は飲み込んで美沙は答えた。ついちょっと前まで知らない男子に手を握られたり梟谷や白鳥沢の対応でとんでもない事になっていた訳だがおそらく今それを義兄に言おうものなら一緒にいる木下と成田が気の毒な事になり、田中と西谷が腹を抱えて笑うのは必須だ。
だがしかし相手は縁下力である。

「少なくとも音駒の後に梟谷の相手はしたって事だな。」
「え。」
「美沙さん、さっき梟谷のマネージャーさん達と写真って話をしちゃってたよ。」
「やってもたああああっ。」
「でも縁下さん、音駒の皆さんも来てたのどうしてご存知なんですか。」

1人私の阿呆ぉぉぉと頭を抱える美沙の代わりに谷地が尋ねると力はああそれはと苦笑する。

「日向が俺にメールよこしてきた。」

勿論これを聞き逃す美沙ではない。

「また犯人日向かあああああっ。」

ロリータ服のまま思わず叫ぶ美沙を田中と西谷がおお、と言った様子で見つめている。

「縁下妹が叫んでおる。」
「美沙が翔陽の事であそこまで叫ぶなんて珍しいな。」
「というかまたって何。」

成田に言われて美沙はババッと振り返る。

「私標準語使(つこ)てまで頑張ったのに日向がっ、日向のせえでバレたんですぅぅぅ。」
「そりゃ災難だな。」

成田の苦笑にとうとう美沙はうわあああんと普段は絶対しないような泣き方をしだした。
あまりの事に木下が谷地に耳打ちをする。
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