第26章 【パニック at the 文化祭 後編 その2】
ここで美沙とは別に休憩を取っていた月島、山口、谷地は戻ってみるとまたも混沌とした状況を拝む羽目になった。
「ちょっと何で音駒まで来てんの。」
よーツッキーと口パクしながら手を振ってくる黒尾に苦い顔をしながら月島が呟く。
「うわわわ、勢揃いしちゃってるぅぅぅぅ。」
「美沙さんが招待したのかな、確かリエーフとか犬岡とメッセしてたよね。」
「経緯はどうでもいいケドほんっとままコさんはめんどいの呼び込むよね。」
「ね、ツッキー。まさかさ梟谷まで来ちゃったりして。」
「僕からしたら来られてたまるかって話。」
「でも私なんだか凄く嫌な予感がしてきた。」
「俺も。」
「ちょっと、2人してフラグ立てるのやめてくんない。」
生憎フラグは既に回収されている事を3人は知らない。
「美沙さんが、美沙さんが」
席についた山本猛虎がブツブツ言っている。
「今までになく華やか且つお美しいっ。」
突如のけぞる山本に対し
「虎さんが壊れたっ。」
と声を上げるのは犬岡走だ。
「誰が壊れてるかっ。」
山本はガウッと反論するも芝山優生がでも、と遠慮がちに口を挟む。
「最初は地味でときめかないって結構失礼な事言ってましたよね。」
うんうんと福永招平が無言で頷き山本はうぐぐと唸った。
「あの頃の俺はわかっちゃいなかったんだよ。」
「でもすっげーな美沙も化けれるんだなっ。」
「やかましでリエたん。」
「リエたん言うなっ。つか何だこれ、パンツはみ出してんぞ。」
「いやああその話はせんといてえええそれとこれドロワーズやもんパンツちゃうしぃぃぃ。」
灰羽にミニスカートの裾をピッとつまんで軽くめくられてしまった美沙は真っ赤にした顔を両手で覆う。
あまりの事に見かねたのだろう、海信行がこらリエーフと口を挟んだ。
「セクハラはやめような。」
「え、今のセクハラになるんスか。」
「ならないと思ったのか。」
「つかよく軽々しく女子に触ろうと思うよな。」
「だって夜久さん美沙は女子じゃな」
「リエエエエエエエフッ、貴様美沙さんになんちゅーことぉぉぉぉぉっ。」
「リエーフのは確かにド失礼だから謝れっそれでも山本はうるせえ黙れっ。」