第26章 【パニック at the 文化祭 後編 その2】
下着事件の衝撃もそこそこに縁下美沙はコスプレ喫茶の仕事に戻る。
義兄の力は義妹が戻る前に深々とため息をついて今日一日が思いやられると零(こぼ)したが言われたって仕方がない。
零す義兄を置いて仕事に戻った美沙は早速また客がきたので挨拶をしようとした。
「いらっしゃいませ、え。」
語尾がかすれて妙な響き方をしたのはこの場合も勘弁してやるべきだろう。
「美沙すぁんっ」
聞き覚えのある且つ田中や西谷に匹敵する無駄にでかい声、だがしかしよもやここで聞く羽目になろうとは。
「ごっ、ごぶっ、ご無沙汰してますっ。」
「あ、う、山本さん。」
美沙が軽く挨拶しようとする間もなく矢継ぎ早に声がかかった。
「美沙ー、着いたってメッセしたのに無視すんなよなー。」
「てかすげぇ、美沙がフリフリ着てるーっ。」
「久しぶりだね。」
「よー烏野6番の妹、元気してっかー。」
「お兄さんもお元気ですか。」
「久し鰤のアラ、ふふっ。」
「ちょお待って、ええと。」
これまた想定外、東京は音駒高校の男子バレー部の襲来に美沙はギギッとこいつらの頭(かしら)とその幼馴染の方を見た。
「研磨さんに黒尾さんも、これ一体。」
「久しぶり。自分からリエーフに文化祭があるって教えたのはまずかったかもね。」
「え、何で。」
「リエーフが烏野行くって言い出して犬岡が俺もって乗っかって挙句に山本も美沙さんに会いたいって例のパターンで騒ぎだしてクロがやっぱり抑えらんなかったから。」
「おいこっち見んな地味リボン、あー今日はロリリボンか。」
「もう何でもええわ。」
美沙はため息をついたがとりあえず東京から来た一行を少しずつ席に案内するのであった。