第21章 【初めてのアルバイト】完結編
「やはりか。」
「何か話でも流れてますのん。」
「関西弁の女子が店番してるという噂がここいらの学校で流れている。もしかしたらと思ったらやっぱりお前だった。」
「今日日交通の便がええんやから関西の人なんてそこいら(その辺)におるやろに(いるだろうに)。」
「おい。」
「日向翔陽は元気か。」
「相変わらずグイグイやってますよ。」
「おいって。」
「そうか。」
「あれ、茂庭さん達もご無沙汰してます。」
「やあ美沙さん。」
「わりぃな、うちの後輩達が。」
「よー、ちゃんと働いてっかー。」
「やっと慣れてきて何とか。」
「ハッハッハ、そっかそっかー。」
「てめーこの半分ボケッ、無視ってんじゃねぇっ。」
とうとうブチッと来た二口に対し美沙はしれっと言う。
「お客様、お静かに願います。」
「こ、こいつっ。」
「美沙さん、成長したなぁ。」
「ダッハッハッ、茂庭は親戚かよ。」
「鎌ちも大概うるせぇぞ、その辺にしとけよ。」
「あら、二口がやられるなんてちょっといい気味かも。」
滑津にまで言われて二口はわなわなと震えるもほぼ全員がスルーである。美沙は美沙で青根さんとか茂庭さんらはともかく知らん人がいっぱいおるとそちらに気が行っていた。
「それにしてもよく縁下君が許したなあ。」
ふと茂庭が言うと美沙はガーンッとなる。
「茂庭さんにまで言われたっ。」
「いや俺も驚き。」
笹谷まで言うので美沙はがっくりとなり滑津が何の話ですかと首を傾げる。
「こいつの兄貴すっげぇシスコンでよー」
おまけに説明しだしたのは鎌先だ。
「野郎がちょっと妹に触っただけで文句言いやがんだわ。」
「お前の場合は美沙さんをいきなり掴んじゃったからだろ、あれは縁下君でなくても怒るから。」
「それ差し引いてもあの兄貴の様子は普通じゃなかったけどな。」
笹谷の言葉に滑津、女川他残りの連中もじーっと見てくる為美沙は穴があったら入りたいいや寧ろ入る穴を掘りたい心持ちになる。