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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第3章 【着せ替え人形】


夜のことである。振動を感じ取った及川徹はポケットからスマホを取り出した。

「あ、美沙ちゃんだ。珍しい。」

呟く及川に幼馴染の特権(多分)で及川の家に訪問していた岩泉がまた何事だと覗きこんでくる。

"兄さんから話聞きました。お着替えされるのはかなんのでこれで我慢したって下さい。"

「写真だ。」

送られてきた画像を開きそれを目にした途端にのけぞった及川を岩泉がどつく。

「痛いっ、岩ちゃん何すんのっ。」
「うるせーわっ、この変態野郎気持ちワリィっ。つかあの半分ボケも半分ボケだ変態に餌を与えやがって半分どころかマジボケじゃねーかっあいつも大概馬鹿だろっ。」
「ちょっと岩ちゃん失礼な事言わないでよねっ。何これ美沙ちゃん可愛い永久保存決定。」

とは言うものの及川は岩泉にどつかれても文句は言えない。送られてきた画像はツインテール+ピンクロリータ、ストレート+ゴスロリ、ロリータまで行かなくてもフリルの多いふんわり系のワンピースなど幾つか着ている縁下美沙の写真が複数、コマ割りされてご丁寧にフレームまでつけて装飾されていたのである。そしてそれを見つめる及川の目は無駄に輝いている。はたからみて十二分に危ない図だ。

「ふん、そういうことか。」

ヤバイ可愛い、いっつもこういう格好してたらいいのにっとゴロゴロ転がる約1名を横目で見ながら岩泉は鼻を鳴らした。

「烏野6番、考えやがったな。」

そうして岩泉は1人勝手に悶(もだえ)てゴロゴロ転がり続ける幼馴染に蹴りを入れた。

縁下家では義兄妹が親の目を盗んでくっついている。

「めっちゃ疲れた。」
「ありがとう、お疲れ様。でもこれで当分及川さんはお前で着せ替えしたいとか馬鹿言わないだろ。」
「ちゅうか及川さん大丈夫かなあ、そんなんばっかり言うてて他の女の子にしまいめに嫌われへんのかなぁ。」
「相手がお前だから甘えまくってるだけだと思うよ。」
「兄さん、目ぇ怖い。」

【着せ替え人形 終わり】
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