第50章 ・TVゲーム その2
サラリとぶっこまれた大平の攻撃に残り3人は対応を始め、余裕なのは若利、難儀しつつも逃れたのは川西、戦法の都合か一番ダメージがでかいのは文緒で残念ながらゲームオーバーが近い。生き残っただけ上等か。しかし、
「うわ文緒、しつけーなぁ。」
瀬見が呟いた。
「何かめっちゃ上の方で2連鎖とかしてるっ。あれ何ですかっ。」
「画面外に乗っかってるブロックの分計算してんだよ、工。下の方消してさ、画面外に乗っかってたブロックがフィールドに降りてきたら残りのブロックとくっついて消える事考えて連鎖組んでるの。」
「文緒すげぇっ。」
「そんな事出来るって事はやっぱりあいつ前の家で親の目盗んでやりこんでたとしか思えない。」
「意外な特技だな。」
「おい、言ってるうちに文緒の奴半分くらい復活したぞ。」
「粘るねぇ。」
「あっ、埋もれてた連鎖掘り起こした。」
「古代遺跡発掘ー、ってかぁ。」
天童が言っている間に文緒は掘り起こした連鎖を起爆、目当ての色のブロックが来ない為攻めあぐねていた義兄含む残り3人に攻撃する。TVのスピーカーから連鎖して消えていくブロックの音が軽快に響く。次の瞬間には他3人のフィールドが大量発生した妨害分に埋め尽くされて一気にゲームオーバーの表示が踊った。
「マジかーっ。」
またも脱落した川西が叫んだ。
「まさかあそこから復活するとはなぁ。」
川西の次に脱落した大平が困ったように笑う。
「恐れいります、大平さん。」
「てか文緒さん、埋もれる前に一体どんだけ積んでたの。」
「ラストに3色各4つずつだったんですが連鎖の途中で他で埋もれていた分がたまたまくっついたんです、川西さん。」
「こわっ。」