第50章 ・TVゲーム その2

観戦側の方ではおおおおおと瀬見が声を上げた。

「文緒逆転っ。」
「英太君、子供の運動会見てんじゃないんだからさ。」
「こえぇ、若利の嫁こえぇ。」
「ヤバイ俺もう文緒と喧嘩出来ない、多分勝てない。」
「お前もともとあの嫁に勝ってたか。」
「運動的には俺が上ですっ。」
「そっちは当たり前だ、馬鹿。口じゃ絶対勝ってないだろ。」

だがしかしわいわい会話する奴らの側で静かにしているデカブツが約1名いる。

「大平さん、あれ。」
「ああそうだな太一、刺激されちゃったね。」

若利が1人背中から闘争心を露わにしていた。ぐるんと自分よりずっと華奢な義妹に向き直る。

「あの状況から盛り返したのは認める。」
「嬉しいです、兄様。」
「次は負けない。」
「望む所です。」
「いいねぇ、兄妹対決。でも俺もそろそろ文緒ちゃんとやりたいなぁ。」
「お前とじゃ酷だろうよ。」
「英太君も大概じゃん。」
「今度雪降った時に埋めてやろうか。」
「前はしめ鯖、今度は野菜扱いかよっ。」
「天童の場合は煮ても焼いても食えそうにねーな。」
「隼人君までやめてっ。」

後もうしばらくこのワイワイガヤガヤにお付き合い頂こう。


次章に続く