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【ハイキュー】ウシワカイモウト

第45章 ・義妹の反抗 その3


「別に味方してる訳じゃない、今回も牛島さんがやり過ぎだと思っただけだ。そもそもしょうもない兄妹喧嘩に巻き込まれて正直面倒臭いんだよ、早いとこ終わってほしい。」
「文緒には俺から言っとく。」
「お願いします、瀬見さん。」
「まぁ確かに若利は今んとこ誰が何言っても聞きそうにないもんな、あの頑固モン。」
「隼人君、文緒ちゃんもたいがいだよ。流石遠くても親戚だねー。」
「それより牛島さんは家帰ったら本気でお仕置きするつもりですかね。」
「それはないと思うよ、太一。多分だけどね。」
「大平さん、汗が。まぁもし文緒さんがお仕置きされた時は何か差し入れますか。」
「太一、お前あの嫁餌付けするつもりか。」
「そういう訳じゃないけどますます頑張ってるから何かあげたくなる。」
「親戚か。」

若利は尚も仲間達に好き放題言われていることに気づかぬまま着替え終わり携帯電話を手に取っている。随分前の時刻に文緒から帰宅した旨のメールが届いていた。


若利が家に帰ると文緒は意外にもいつもどおり出迎えた。

「おかえりなさい、兄様。」
「ただいま。」

言って若利はしばし座っている義妹を見つめ、義妹もまた若利を見つめ返す。しばしの沈黙。やがて若利は呟いた。

「勝手に移動するとはどういった了見だ。」

しかしいつもに似合わず義妹は口答えをする。

「ちゃんと連絡を入れました。」
「待っていろと言っただろう。」
「言われましたが無理です、バレー部の練習は長いのに。」
「やることがない訳でもあるまい。」
「ええ、宿題やったり予習やったりしてました。それでも時間は余ります。」
「一体何に怒っている。」
「まず人前で、それも3年生の皆さんの前で恥ずかしい思いをさせられたのに怒っています。おかげでクラスの人にもロリ嫁だの幼稚園児だの言われるし、通りすがりの人にもからかわれるしで大変です。そもそもご自身の名誉に関わりそうなのにそれを考慮されない兄様もどうなのかと。」
「他には。」
「長い時間人がほとんど居ない校舎に置き去りにされる事に怒っています。」

流石の若利も後者の文緒の言い分には少し考えた。なるほど確かに人気(ひとけ)のない所に放置するのも良くないと思う。
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