第42章 ・【外伝】イモウト探し
「何だよ。」
「いえ、何も。」
「何かお前油断なんない感じあるよな。」
「どうでしょう。」
「こいつ。」
瀬見が呟いているうちにウシワカが文緒に声をかけている。
「文緒、帰るぞ。」
「はい、兄様。」
文緒は言い瀬見と縁下に向き直る。
「お2人共本当にありがとうございました。失礼します。」
「おう、またな。」
「2人とも気をつけて。」
ぺこりと頭を下げる文緒、助かった礼を言うと呟くウシワカ、そんな義兄妹は瀬見と縁下に見送られながら去っていく。
「あの馬鹿歩くの早いっつの、文緒めっちゃ走ってんじゃねーか。明日言ってやんないとな。」
「あ、でも文緒さんが牛島さんの袖ひっつかんでる。」
「若利も気づいたみたいだな、文緒よくやった。」
「貴方と牛島さんどっちがお兄さんかわかりませんね。」
「他ならぬ俺が一番そう思ってる。若利が兄貴として色々足りてないからな。あれでも大分マシになった方だ。」
「何となく想像がついてしまいました。」
「さて、文緒も無事若利に届けたし駄弁っててもしゃあねえな。お疲れさん、つかマジありがとな。」
「いえ、好きでやったんで。お疲れ様でした。」