第42章 ・【外伝】イモウト探し
後日の事である。
「ほへー、そんなオチになったのかー。」
烏野高校男子排球部にて菅原が言った。
「でも無事で良かったなぁ、スガの所に縁下が連絡入れてた時は何事かと思ったよ。」
東峰がホッとする。まるっきり親戚のおじさん状態だが突っ込んだら恐らくガラスのハートにヒビが入るだろう。
「つーかシスコンひどすぎてちょっと。ひょっとして線踏み越えてるんじゃないですか。」
ボソリと言うのは月島で、山口がツッキー言い過ぎだよっと慌てている。流石月島だなと思いながら縁下はそれを笑って流した。
「何かよくわかんねーけど、ウシワカはそんなに妹大好きなんすか。」
「お前馬鹿だな、聞けばわかるじゃん。」
やはり鈍感ぶりを発揮するのは影山で日向に突っ込まれたものだからあっという間に小競り合いになり澤村に睨まれる。
「でも良かったです、文緒さん無事で。」
「ホント。でも何かと話題になっちゃうね、文緒ちゃん。」
谷地と清水が言う中、澤村がなんにせよと言った。
「縁下、お疲れさん。」
「ありがとうございます、というか何というか。」
縁下は困ったような顔で笑いながらふと体育館の天井を仰ぐ。
「むしろ今頃文緒さん大丈夫かな。」
生憎大丈夫ではなかった。
「兄様、あの」
「何だ。」
「帰らせてくださいな。」
「それは聞くつもりがない。」
「お母様が心配されます。」
「連絡してある。」
「そういう問題なのでしょうか。」
「いいから俺が終わるまでここにいろ。」
「いくら何でも横暴です、これでは逆戻りです。」
「これ以上異議を認めるつもりはない。ところで携帯電話の充電は。」
「今日はちゃんと確かめました、ですから」
「俺は行ってくる。」
「兄様っ。」
次章へ続く