第42章 ・【外伝】イモウト探し
「悪いな田中急に、文緒さん見なかったか。ほらウシワ、白鳥沢の牛島さんトコの、そうあの子。そっか、わかった。そうだな見かけたら連絡くれ。」
「首飾りをつけているはずだ。こういう風な。」
「えっ、あ、ハァッ。ああもしもし、ペンダントしてるんだってさドッグタグみたいな奴。俺が知るかよご本人に聞けよ今隣にいるから、何でってたまたまだよそしたら文緒さん探してるっていうから手伝う事にしたってだけで。そうだなそれが賢明だよ。うん、助かる。ありがとう。」
縁下は一旦電話を切る。
「うちのチームも文緒さんを知ってるので見かけてないか一通り聞いてみます。」
「頼む。しかし途中で何故動揺した。」
「まさか貴方が文緒さんに犬の鑑札つけるまでに至ってるとは思わなかったので。」
「お前もか。」
「他でも言われたんですか。」
「チームメイトには迷子札や首輪と言われた。少々不快な話だ。」
「普通言いますよ、それは。」
「そういうものか。」
「少なくとも俺はそう思います。」
「そうか。難しいものだ。」
「難しくはないと思いますが。」
縁下は汗が浮かぶ思いである。それでもこう口にした。
「そこまでするくらい大好きになったんですね。」
「ああ。」
ウシワカは素直に頷いた。