第15章 月島くん。
月島くんの言葉に軽くショックを受ける。
私達は、もうよく知る間柄なのかもしれないけど、それにしても彼は手作りに対してあまり良い印象は無さそうだ。
とびきり美味しいのを作って、月島くんに喜んでもらいたかったんだけどな………。
社会人チームでの練習後の帰り道に月島くんのピュアな笑顔を見て以来、私はまたあの笑顔が見たいと躍起になっていた。
色々と行動は起こしたものの、それらはすべて失敗に終わっており、バレンタインならきっといけるはず!とおもった矢先にこれである。
私はがっくり肩を落とした。
そして、もうこの話題やめよう……と思ったときに、ふと思い出す。
出会って間もない頃、私は月島くんに手作りクッキーを渡していたことを。
あの時、彼は特に抵抗なく受け取ってくれた。
その意味を、考えてしまう。