第14章 大地さん。
「………嫌です。」
「ど、どうしたんだよ。なんで泣いて……」
「大地さんが居なくなるの、嫌なんです………」
「菜月……」
泣いている私を見た大地さんは、私の側までやってきて、頭にぽんと手を置いてくれた。
「大丈夫だって。そりゃあ最初は寂しく感じてもらわないとこっちも悲しいけど……組織の中で居なくなったら絶対に困るやつなんてそうそういるもんじゃないって。
新チームが始まったら、それなりにうまく回り始めるはずだから。」
「そうじゃなくて……」
ごちゃごちゃになった頭の中から、一番伝えたい言葉を取り出す。
ちゃんと、言わなきゃ伝わらない。
「私、大地さんが好きです。」
「え………?」
何を言われたか分からない。
そんな表情だった。
一拍遅れて、その表情は困ったものへと変化する。
「あ……あのさ。告白しに行く先、間違えてない?」
「え?」
「何で、俺のところに……」
「大地さんに、好きの意味を教えてもらったから。私、これから大地さんのこと、ずっと支えていきたい。」
「菜月………」