第14章 大地さん。
3年生が引退して、あとは卒業を待つばかりとなったある日のこと。
私は自分の教室で、4枚の色紙を前に頭を悩ませていた。
もうすぐ、3年生の引退試合が行われる。
卒業していく3年生と後輩とで最後の試合をするのだ。
そしてその時に4人に渡すプレゼントとして、後輩みんなで色紙にメッセージをしたためていた。
何て、書こうかな………
先程から、何と書こうか考えて、書きだそうとしては止めを繰り返していた。
お別れしたくないという気持ちがそうさせているような気がした。
既に何人かの部員がメッセージを書いていた、大地さん宛の色紙を手に、私は思う。
大地さんは進路、どうなっているんだろう。
彼とはあまり、そういった話をしてこなかった。
そんなことを考えながら色紙に目を落とすと、そこには私を動揺させるには充分なメッセージが書き込まれていることに気付く。