第10章 「春」
その言葉に、皆が時間を確認し始める。
新年まではもう1分を切っていた。
日向くんと西谷先輩が、もう待ちきれないと言った感じでカウントダウンを始める。
10秒を切ったあたりから、私もそれに参加した。
「「「5、4、3、2、1………」」」
「あけましておめでとうございますー!!!今年もよろしくお願いします!!」
新年になった瞬間に、私は皆に向かってそう伝えた。
皆はそれに、笑顔で応えてくれる。
新年の挨拶を終えたあと、大地さんが口を開いた。
「よし、じゃあ優勝祈願しに行くべ!」
「「「おっしゃー!!!」」」
皆の笑顔を輪の外から見て思う。
神様、どうか。
皆に頂きの景色を見せてあげてください。
その願いが叶うなら、私にできることは何だってするから。
そんな強い強い願いを心の内に秘め、私の新しい一年は始まった。