第9章 代表決定戦
「それにしても……」
「?」
「君たちを見てるといつも思うんだけど。水沢さんは、本当に皆のお姫様みたいだね。」
「ええ?!!」
「水沢さんが危ない時には皆、全力で守ってるし、今みたいなときもなるべく希望を叶えようとしてる。すごく大切にされてるね。」
「……………」
武田先生の言葉に、恥ずかしさがこみ上げてくる。
先生はこういう言葉を何の躊躇いもなく言うから、ポエミーとか言われるんだろう。
「そんなの当たり前だろ武ちゃん!マネージャーは、宝だからな!!」
そう言う西谷先輩の言葉で、皆に笑いが起こった。
こういう、何気ない瞬間に私は物凄く幸せを感じる。
宮城の代表になったことで、また少し皆でこうしていられる時間が増えた。
そのことを思うだけで、また泣き出してしまいそうなくらい嬉しい。
注文後、程なくして運ばれてきた予想以上に大きいパフェに驚きつつ、皆でぎゃーぎゃー言いながらそれをつつくこの瞬間。
口の中に広がる甘さと共に、いつまでもいつまでも覚えておきたいな。
そう思い、瞬きでシャッターを切るように、私は目の前のみんなを大切に見つめるのだった。