第9章 代表決定戦
とうとう、その日はやってきた。
春高代表決定戦。
今日からの3日間で、宮城の代表の座が決まる。
皆、緊張の面持ちで会場である体育館へと踏み入った。
もう到着していた他のチームの人達が私達に気付き、続々とこちらを振り返る。
「烏野だ………!」
「なんかあいつら、今年やばいんだろ?北一の王様もあそこに行ったらしいし……」
「うえー。なんか、弱点ないのかな王様って……。」
「あるべ。ほら、あれ。」
本人達はささやき声で話しているつもりなのかもしれないけど、側を通りすぎようとしていた私達にはまる聞こえだった。
その、ヒソヒソやっていた二人が同時に私の方に視線を注ぐ。
??
なんだろ………
「あの子?」
「お前、前に烏野がテレビ出てたの知らないの?チーム全員、マネージャーが好きらしくてさー。特に王様なんて全国ネットで彼氏宣言してたし。」
「まじで?じゃあ、あの子を試合前にどっかに隠しちゃったりすれば王様もちょっとは動揺するかな。」
?!!
な、なんて物騒なことを…!!!