第8章 春への道

「……でもさ、付き合ってすぐ指輪って重くない？女子ってそういうのすごい複雑そうだよね。

あげなきゃあげないで文句言いそうだし、あげたらあげたでタイミングとかシチュエーションとか、うるさそう。」



月島くんが私の方に視線を向けて言う。



「あー……そうだね。確かに早すぎでしょってツッコんでた子はいたかも。」



さすが月島くん。
複雑な女子の気持ちも理解している模様。



「やりたいと思った時にやりたいもんやって何が悪いんだよ。全然分かんねえ。そんなの他のやつがどう思おうと二人が良ければいいじゃねえか。」



西谷先輩は通常運転である。
他人の目なんて気にしないのだ。



「指輪とかに限らずさ、プレゼントって別れた時に捨てられるんだろうなとか考えちゃうと、残る物あげるのはちょっとためらうよな……。」



「「「「……………」」」」



旭さんの発言に皆、言葉をなくす。



「あーーっもう！！これだからへなちょこは！！付き合いたてなのに早速別れた時のこと考えてプレゼント渡すやつなんてそうそういないっつーの！！」



「いてっ………！お、落ち着けよスガ…！！」



「お前がくだらないこと言うからだろ！！」



菅原先輩のチョップが旭さんを襲う。