第8章 春への道
大地さんの言葉に、菅原先輩と影山くんが同時にこちらを振り返る。
顔がこわばっているのが自分でも分かった。
自分が早く答えを出さないせいでこうなった。
好きって何なのか、そんなことで悩む私にはそもそも真剣な気持ちに返事をする権利なんて最初からないのかもしれない。
待つと言ってくれる皆に甘え過ぎた結果がこれだ。
もうすぐ代表決定戦だってあるのに。
揉め事なんて、ましてやバレーを離れたところでのいざこざなんてない方がいいに決まっている。
自分のせいでチームに悪影響が及ぶかと思うと、怖くて仕方がなかった。
今ここで謝って断れば、少なくともこういう類のことで空気を悪くすることは無くなるだろう。
そこまで考えてから、拳を固く握った。
こんなんじゃ私、誰とも付き合えない。