第2章 新生活
朝、体育館で月島くんを見つけた瞬間、昨日の音楽で得た興奮が爆発した。
「月島くんおはよう!!!」
「…朝から大声出して。元気だね…。」
「あのね!昨日のCD聴いたんだけど、すごかった!ほんと良かった!ファンになった!」
「そ、そう…」
私の興奮ぶりに、月島くんは若干引いているような…。
周りの皆も驚いていた。
「一曲目からこう、心を鷲掴みにされたよー。1枚のCDでこんなに好きな曲ばっかりなことって珍しいから興奮しちゃった。」
私の言葉を聞いて、月島くんはまんざらでもなくなったのか、少しだけ笑みを見せて言った。
「まだまだおすすめあるけど…聴く?」
「聴きたい聴きたい!!!」
「じゃあまたCD作ってきてあげてもいいけど。」
「わーい!!ありがとうー!!」
次のCDも楽しみだな。
そう思いながら、ふと月島くんの顔を見ればその視線は影山くんを捉えていて。
影山くんはその視線に相対するかのように真っ向から見つめ返していた。
いや、睨み返していたって言ったほうがいいのかな。
そんな影山くんを見て月島くんはにやりと不敵な笑みを浮かべた。
この二人は一体いつになったら仲良くなれるんだろう…と半ばあきれ気味に思う。
同じ部活の人同士でもめるとか、すごい面倒だと思うんだけどな…。
月島くんは、そのあとすぐに私の方を振り返り、また近いうちに持ってくるから。そう言って集合のかかった皆の輪の中へと走って行った。