第8章 春への道

「お前、あんま調子に乗ってると公衆の面前で口塞いでやるからな…！！」



「えええ！！！」



「どうせ俺は出ねえと思って高くくってたんだろ！」



「う……」



実際その通りだから何も言えない。



「お前の態度次第では俺にも考えがあるぞ。」



「ご、ごめんて…。私、もう文化祭はカラカラのことだけで頭いっぱいだから勘弁して…」



「は？カラカラ？」



そういえば、同じクラスの日向くんと練習に付き合ってくれた菅原先輩以外はまだ私がカラカラに出ることを知らないのだった。



「菜月、うちのクラス代表でカラオケの大会出るんだよ。」



日向くんが影山くんにそう説明する。



この件を知らなかった他の皆はかなり驚いていた。



「まさかこの前みたいな歌を歌う気じゃねえだろうな…」



「え？」



「ラプソングは回避したから安心しろよ、影山。」



「菅原さん……」