• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第2章 新生活




結局、その日影山くんと月島くんがもめることはもうなくて、いたって平穏に午後練は終了した。



そして次の日。
朝練の片付けを終え、皆それぞれの教室へ向かおうとしているところで、月島くんに声をかけられた。



「ねえ、あのさ。」



「へ、私?」



月島くんの方に向き直ると、彼は肩にかけたバッグの中から何かを取り出して渡してきた。



CD…?



「昨日、洋楽聴いてみたいって言ってたでしょ。僕の好きなグループのおすすめ曲で1枚作ってみた。」



「ええー!ほんとに!あ、ありがとうー!!」



月島くんから薄いCDのケースを受け取る。
月島くんがこんなことしてくれるなんて、何だか感動…



「ごめんね、大変だったでしょ?」



「…別に。ただドラッグ&ドロップしただけだよ。余計なお世話だったら捨てていいから。」



「捨てるわけ無いじゃん!帰ったらすぐ聴いてみるね!」



「…ん、それじゃ。」



月島くんは山口くんを引き連れて、先に教室へと向かう。



「菜月ー!月島にCDもらったの?」



駆け寄ってきた日向くんがもらったばかりのCDを覗き込む。
…と同時に表情を固くした。



「なにこれ…英語ばっかりなんだけど…」



「洋楽が好きなんだってよ?私洋楽ほとんど聴いたことないから楽しみなんだー。」



「すごいな菜月ー。俺、英語の曲なんて頼まれても聴きたくないよ。」



日向くんと笑い合いながら教室へと向かう。



曲が早く聴いてみたくて、その日は家に帰るのがとても楽しみになった。


/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp