第6章 再起
そう決意した時に限って、誘惑はやってくるものだ。
次の日、練習終わりの部室では西谷先輩の近所の人のお裾分けらしいクッキーの詰め合わせが振る舞われていた。
部室の机の上に置かれたそれは、結構な量があった。
「クッキー…!!!」
「目キラキラさせて…ほんとに甘いの好きなんだね。」
そう言って声をかけてきたのは月島くんだった。
「あ、うん…。…でもね、私は今日は食べない。食べないよ!」
「え、なんで?」
「そ、それは…ダイエット中だからです…」
それを聞いた月島くんに笑われる。
「無駄な抵抗はよしなよ。どうせそんなの長くは続かないんだからさ。」
「そ、そんな!1日目からそんなこと言わないでよー!」
「何で急にダイエットなんて言い出したんだ?」
「もうすぐ水泳の授業始まるじゃないですか…水着、着るのが怖くて。」
田中先輩の言葉に答えると、皆が一斉に私の方を振り返った。
「「「「「水着…!!」」」」」