第6章 再起
そう思っていたら、菅原先輩に手を引かれて部室の隅に誘導される。
そして小声で話しかけてきた。
「菜月、顔。顔不自然だからな!分かってる? 」
「え!」
「ほんと隠し事苦手なんだな…まあそんなところもいいんだけどさ。」
「す、菅原先輩。ありがとうございました…」
「いや、別に俺ほとんど何もしてないし。田中のおかげでスムーズに聞けたな!」
菅原先輩との密談が終わり、再び皆の方に戻ろうとすると影山くんがこちらを物凄い形相で睨んでいた。
大げさに肩が縮む。
影山くんは、こちらに歩み寄ってきて私に問う。
「なんでキャプテンの好み聞いて嬉しそうなんだよ、お前は…!」
「いや、これには訳が…」
「ああ?!どんな訳だ!」
「やだ、大きな声出さないで…!」
これ以上影山くんに騒がれたらバレそうだと思ったので、私は影山くんを一旦外に連れだした。
事情を話すと影山くんは大人しくなってくれた。